東急式ATS対応路線を作ろう

メトロ総合プラグイン

東急式ATS

対応路線を作ろう!

 bve4およびbve5環境下において、メトロ総合プラグインを用いた場合の、東急式ATSの路線データ側の組立てについて説明します。
 前提としては、東急式ATSの基本動作を理解していることが必須となります。

bve4/5 両対応


◆ 地上子の様相について

 東急式ATSでは、地上設備と列車間の情報授受にループ回路を用いています。そのため国鉄式ATS-Sのような物理的な地上子は存在しません。
 下記説明の 「地上子」 という表現は、あくまでもbve4/5の構文の上での地上子と解釈してください。


◆ 地上子インデックス割当て 2012/5/12加筆

東急式ATS関連 備考
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外方ループ始点・照査地点

直下ループ始点
直下ループ始点
直下ループ始点
直下ループ照査地点
二地点間1秒照査
停車駅予告警報装置

R現示時のみ。配置間隔は 4m
0に統合廃止
YY現示用。配置間隔は 7m
Y現示用。配置間隔は 13m
YG現示用。配置間隔は 17m
YY〜YG現示共用





◆ 信号現示に対する速度照査(3現示式の場合)

 東急式ATSは、YY、Y、YG現示の場合は信号機直下(厳密に言うと直前)にて、各現示に対しての速度を照査する「点制御方式」です。R現示の場合だけは信号機外方にて15km/hの照査を行います。
 いずれの場合にも、各現示に応じた二点間の通過時間を1秒間で照査する形になります。

 以下は、最もポピュラーな3現示式の場合の例です。信号機の手前に地上子を並べてゆきますが、黄色く塗った箇所がY現示に対する地上子、赤色に塗った箇所がR現示に対する地上子です。
 R現示ループ始点(作例では936m地点)には、線路脇に黄色四角のB点標識を建植します。

 それぞれの地上子の間隔は、R現示の場合は4m、Y現示の場合は13mになります。厳密にはもっと細かい数字になるのですが、bveでは1m単位での設定しかできませんので、誤差はプラグイン内部で補正しています。

3現示式信号機の場合


◆ 信号現示に対する速度照査(4、5現示式の場合)

 4現示式、あるいは5現示式の場合でも考え方は同じです。以下は5現示式の例です。
地上子の間隔は、YY現示の場合は7m、YG現示の場合は17mになります。なおループ終点の地上子は、YY〜YGの三種類で共通です。

5現示式信号機の場合


◆ 曲線制限に対する速度照査

 JR西日本社の福知山線事故を受けて、曲線部においても速度照査が導入されました。信号現示の場合と同様に、二点間の通過時間を1秒間で照査します。

 地上子を置く間隔ですが、それぞれの制限速度によって異なります。作例では曲線制限が60km/hで余裕を約5km/hとし、64.8km/hとしました。これは秒速に換算すると18m/secですので、地上子の間隔は18mになります。

 これらはその都度計算するのは厄介なので、あらかじめ
   17m/s = 61.2km/h
   18m/s = 64.8km/h
   20m/s = 72.0km/h
のように早見表を作っておくと良いでしょう。

※ この方式には大きな欠点があります。
 実際のATSでは、信号照査と曲線照査とが重なってしまうと、照査の手段が同一のため列車側はどちらの照査かの区別ができず、誤動作の原因となってしまいます。
 そのため、信号照査と曲線照査が重なる、もしくは至近距離となる場合には曲線照査を適当な箇所に移動させる必要があります。

曲線制限に対する速度照査


◆ 終端部に対する速度照査

 起終点の駅など過走が許されない箇所では、場内信号機内方でも細かく速度照査を行っており、やはり二点間の通過時間を1秒間で照査する方式です。地上子の置き方は曲線制限の場合と同一です。


◆ 停車駅予告警報装置 2011/12/4加筆

 東横線および田園都市線のいずれもATS時代のみ。当該区間の速度や勾配の状況にもよりますが、所定停止位置の250〜400m程度手前に9番地上子を置きます。

 ※ この機能は列車種別設定器とは連動していません。路線データごとにそれぞれ配置する必要があります。これは種別表示を持たない車両では対応できなくなってしまうためです。

停車駅予告警報装置



2011.11.15 新規掲載
2011.12.04 加筆
2012.05.12 加筆

 

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